[ 花まつり ] 独尊 -かけがえのないこと-
・みんなでおまいり(しょうしんげ)
・おしゃかさま てだれ?
(おはなしをききます)(花祭りの由来)
・なんで おちゃを おかけするの?
(誕生仏に献花したり、甘茶をかけたり、甘茶をいただきましょう)
《 夜の部 》
~仏様の誕生からひととして生まれることの意味を聞く~
いまから2500年ほど前に、
インドの北の方でお釈迦さまはお生まれになりました。
それは、花の咲く4月8日の日でした。
そのお釈迦さまのご誕生をお祝いするのが「花まつり」です。
お釈迦さまは、お生まれになるとすぐに、天と地を指さして、
「天上天下唯我独尊」
(天上天下に、ただ我ひとりにして尊し)と声をあげられました。
これは、「世界中で一番偉いのは俺だ」
といばっているのではありません
他の人と決して代わることのできない、
目覚めたことばなのです。
だれだって、自分自身を大切にしたいと思っています。
自分の一生が後悔のないものであることを願っています。
しかし、どのようにすればその願いが実現するかは、
あまりはっきりしていません。
お金持ちになること。
有名になって回りから注目されること。
競争に勝って人の上に立つこと。
人の役に立って感謝されること。
そのようなことが後悔のない人生に結びつくと思われていることが
多いのではないでしょうか。
ところが実際は、思いどおりにならないといって苦しんだり、
他の人と比べて自分を情けなく思ったり、
しまいにはもう生きていく望みがないといって
やけを起こしたりしているのです。
そんな私たちにお釈迦さまは、
「あなたは、だれとも比べることのできない尊い存在なのです」と
呼びかけてくださっています。
この呼びかけが聞こえないかぎり、勝ったか負けたか、
得をしたか損をしたか、優れているか劣っているか
というものさしだけで自分を計り、
一生を過ごしてしまうことになります。
お釈迦さまのご誕生によって、何が本当に大切なことであるかが、
はじめて明らかになったのです。